レモンな初恋





 海岸に着いて携帯で時刻を確認すると、ちょうど8時になっていた。



 母さんらしきひとはまだ来ていないみたいだ……



「連也?」




 そこまで考えた時、後ろから懐かしい声が聞こえた。


 俺は振り向いた。



「……母さん?」



 そこには、少し老けたけど、紛れもなく俺の母さんが立っていた。



「ひ、久しぶり」


 母さんは緊張しているみたいで、声が震えていた。



「……おう」



 俺も、少し緊張した。



「隣、いいかしら」


「あ、どうぞ」



 俺の隣に座った母さんは、ただ海を見つめていた。


 けど、すぐに俺の方を見た。


「まさか、来てくれるとは思わなかったわ」


「……まあ、架樹に言われたし」


「あぁ、あの子。本当にいい子ね」


 母さんは微笑んだ。