レモンな初恋






「わー、次はバスケだね!」


「超楽しみ!」




 横を通り過ぎていく女の子たちは、バスケのことで頭がいっぱいらしい。



 それはあたしも変わりなく。




「うわーっ!連也くんのバスケしてるとことかヤバーいっ」


「ちょっと、架樹。落ち着いて」



 佑香は呆れているけれど、落ち着けるわけがない。



 体育館に着いてもあたしはウキウキしていた。



「だってさー、連也くんがダンクとか決めたりしてー」


「あるわけないし。大体、バスケ部でもないんでしょ?」




 ナイナイって佑香は首横に振るけれど、あたしは信じてる。



「では、これから最後の種目を始めます。まずは、黄組対赤組ー」



「「「キャー❤」」」



 試合が開始すると、一気に盛り上がる体育館。



 見れば見るほど、イケメンイケメン……


 あたしはただ連也くんだけを待った。