レモンな初恋





「……架樹は何に出るの?」



 周りの声は無視して、連也くんが聞いてくる。



「えーと……大玉転がし」


「……ぷっ、やる気ねぇ」



 朝の佑香と同じことを言われてしまった。



 大玉転がしも立派な競技だからいいじゃんかーっ



「えー、食べ終わった生徒はグラウンドに集まるように」


 またアナウンスが鳴った。



「あ、次綱引きじゃん」


「えー、最悪」



 そんな話をしていると、組長が「気合入れていくぞー!」と言ったので、仕方なく「オー」と言った。




 綱引きの後が大玉転がしだし……




 あたしは怠く立ち上がって、テントを後にしたのであった。