「ふぅ……食った食った」
まだピッチピチの女子高生なのに、おっさんのような声を出した佑香。
あたしも連也くんも、食べ終わってお弁当箱をしまった。
「もぅー、佑香っておっさんでしょ?」
「はぁ?彼氏持ちの女子ですけど」
そう言うが、全くそんな風には見えない。
「……ってか、連也くんはなんの競技に出るの?」
隣でたくさんの女子から熱い視線をもらっている連也くんに聞いた。
「あー、昼からだから……最後の種目のバスケでいいや」
連也くんはプログラムを見ながら言う。
ば、バスケ……
みんなが一斉に悲鳴を上げた。
そりゃそうだ。
イケメンの連也くんがバスケなんて出たら、大注目だ。
「ま、晃(あきら)もバスケらしいし、人数が1人空いてるらしいし」
晃というのは、宮根くんの名前だ。
……それは置いといて。
連也くんは総合的に考えたらしいが、これじゃあやっぱり〝イケメンバスケ〟決定だ。


