「ふぅ、もうっ……って、ちょっと架樹！？」
佑香はあたしの涙に気付いたようで、慌てて慰めた。
「うっ……ヒック……」
でも、泣いても泣き止めない。
「え、ちょっ」
佑香はすごく心配してきている。
そこに。
「架樹、おい」
「……へっ？」
今のは空耳だろうか。
だって、無視するくらい。
〝お前なんて気にしてないし〟って感じで接されたら。
そんなことされたら……
まさか今、連也くんが話しかけてくれたなんて思わないじゃない。
「おーい、聞いてんの？」
俯くあたしの顔を覗き込んでくる連也くん。
あたしだけじゃない。
あたしが泣いてるからかクラス中が注目してるから、みんなが連也くんを見て固まった。
「き、聞いてます……」
突然の行動に戸惑いながら、あたしは恥ずかしいと顔を手で覆った。
