レモンな初恋





 けれど、こっちを見ずに連也くんは自分の机に鞄を置いた。



 あたしはものすごく悲しかったけど、ただ連也くんを見つめた。


「……」


「架樹、見つめてるだけかいな?」



 隣で佑香がこそっと話しかけてくる。



「……だってぇ」


「はぁ……もう、仕方ないな」



 佑香は意気地なしのあたしに呆れながら、



「れーんやくーん!!」



 と、連也くんに話しかけに行った。




「え、ちょっ!佑香!」



 わっ、まさかそんな大胆なことをするなんて……




 あたしは慌てて佑香を止めに行った。


「……」


 けれど、その時佑香越しに見た連也くんの顔は冷たくて。



「あ……うぅ」


 あたしは、やっぱり呆れられたと思った。


 途端に涙が出てきた。