レモンな初恋





「……うっわ」


「?……なに?」



 部屋に入ると、あまりのきれいさに驚いてしまった。



 もっと男の子の部屋って汚いと思ってた。


 こ、こんなきれいなんて……



「ごめん、汚かったよな」


「え、どこが」



 いくら社会のマナーみたいになってるからって、それは嫌味だよ。



「……あんま見んなよ、恥ずかしいから」



 部屋を見渡すあたしに、連也くんは恥ずかしそうに言った。



「あ、どこに座ったらいい?」



 きれいだな、と思いながら言う。


「ああ、そこでいいよ。なんか飲む?取ってくる」


「あ、別に……」


 悪いしね。



 でも連也くんは、


「別に気を遣わなくてもいいのに」


 と笑った。


 だからあたしは、


「じゃあ、オレンジジュース」