レモンな初恋





 けど、連也くんはそんなこと言ってなかったけど……



 不思議に思いながら見ていると。



「連也ーーー❤」


「離せっ!お、や、じ!!」



 抱きつく若い男の人を、連也くんが無理矢理離した。



 ……ん?

 ってか、〝親父〟って言ってなかった……?



 え、この人って……



「お、お父さんーー!?」


 あたしはつい、叫んでしまった。


 すると、二人とも同時にこっちを見てきた。



「架樹?どうした?」


「……架樹?おおーーー!なんて可愛い名前!!ってか可愛いーー♪」



 その、連也くんのお父さんらしき人は、あたしに走ってきて、抱きつこうとしてきた。

 けれど、連也くんがすぐに止めたため、セーフだった。



 驚きで固まるあたし。



「架樹、紹介するな。これ……」


「これって言うな!えっと、俺は坂野悠一(ゆういち)!連也の父です♪よろしくね」


 笑顔で挨拶してきた連也くんのお父さん。


「あ、はい……」