帰る仕度をしていると、連也くんに呼ばれた。
「え、早っ!待って、あとちょいだから」
慌てて仕度を済ませると、連也くんの後をついて行った。
「なあ、俺ん家来る?」
校門を出た辺りで連也くんは突然告げた。
当然のことながら、あたしは固まってしまった。
「え、その……」
「嫌?」
連也くんはあたしよりも少し前で止まって聞いてきた。
「嫌ではないんだけど……」
行ってもいいのだろうか?
そんな風に悩んでいたら、いつの間にか…………
「お、邪魔します……」
連也くんの家に来ていた。
「あ、親父いる」
連也くんは玄関でそう呟いた。