「……知ってるけど、今はどーでもいいっす」


「……あんたねぇ……」




 みんなの話によると、あたしは冷たいらしい。

 けど、連也くんも冷たいと思う。



 あの日から、連也くんは「めんどくさいから」と言って、イケメン姿で学校に来ている。



 当然、学校の女子はみんな大騒ぎ。


 ……だったのも徐々に落ち着いてきた。



 あの日、連也くんの正体が知れた日以外は、大騒ぎの時から、あたしは特に気にもしなかった。


 だって、どんなにモテようと連也くんは変わらなかったから。



 朝は迎えに来てくれるし、帰りも送ってくれる。



 つい最近、家が反対方向だと知った時はさすがに断ったけど、


「架樹は危なっかしいから、心配なんだよ」


 と言われて却下された。


 あたしは、またそれで惚れてしまった。



 一緒にいる時はいつもドキドキさせられっぱなしだし、二人きりになると胸キュンワードを炸裂させてくるから、好きの気持ちが大きくなっていくだけだった。



 たまーにみんなの前でもそういうことするから、恥ずかしいんだけど。




 そして、暑い一日も終わりを迎え、時間は放課後。



「……架樹、帰るぞ」