「あっつーっ」


「もう無理だーーー!」


「……死ぬ」




 夏休みまであと1週間を切った今日。



 7月だからか、ものすごく暑い。


 夏の始まりってこんなに暑かったか……?



 クラス中が項垂れている。


 けれど、女子とはすごい生き物だ。



「「「連也くーん!」」」




 汗をかきながら机に顔を伏せている連也くんに、女子の群れが近づく。



 何度か席替えがあったものの、ずっと何故か隣のあたしには、いい迷惑だ。




「なあ、宮下ー。連也くん、モテてますよー」



 あたしの斜め前から、宮根くんが話しかけてきた。



「……」


 正直、連也くんを囲む女子の光景には慣れてきたので、どうでもいい。



 もし思うのならば、連也くんが可哀そうということだけ。


「ねえ、架樹余裕こき過ぎだから。連也くん、取られるかもよー?」


 佑香もすかさず会話に入ってきた。