レモンな初恋





 涙が出そうになった。



「これで、最後だから」


 そう言うと、湊はあたしを自分に引き寄せてきて、抱きしめた。



 ああ、鼻の奥がツンとする。


 泣いちゃいそう……



 湊はほんの少しの間、あたしを抱きしめた。



「ごめん」


 そう言って離してくれた時、湊の目には涙が溜まっていた。


 おそらく、あたしもだ。



「湊……」


「架樹。俺はまだ、正直架樹のこと諦めきれてない。好きで好きで、どうしようもないんだ。」


「うん……」



 いつも笑顔の湊が、初めて見せた悲しそうな顔。


 あたしは湊のこと、何も知らなかったんだなって今になって気づいた。



「けど、今は無理でもいつか絶対元の幼なじみに戻ろうな。約束だぞ!」



 その無理矢理な笑顔に、泣きそうになりながら微笑む。


「うんっ……約束!」


 小指と小指を絡めて約束した。


「この約束は忘れんなよ!」