レモンな初恋




 そう言って、連也くんがあたし達に話しかけてきた。


 あたしからは連也くんは見えないけど、佑香には見えているらしい。



「俺の、架樹なんだけど」


「あたしの!……あ、もしかして焼いてる?」


「……っせぇーな」



 二人の会話は何故かケンカ口調。


 それが面白くて、つい吹いてしまった。



「ははっ」



 すると、クラスのみんなも笑った。




 佑香から離れると、笑った顔の連也くんと目が合った。


 それは、いつもの地味男なんかじゃなくて。

 イケメンの連也くんで。


 それがまた、なんともいじらしくて。



「おーい、授業始めるぞ」


 そんな先生の声で6時限目が始まった。


 みんなが席に座る。



「……あれ?お前、誰だ?」


「……坂野です」


「……いや、嘘だろ?地味男がこんな……」



 先生にまで疑われている連也くんに、クラス中が笑っていたのは言うまでもない。