レモンな初恋





「ねぇ、架樹?」



 佑香がどういうこと?と聞いてくる。


 クラスもざわめきだす。



 あんな人、見たことないだとか。

 あたしが制服を着せて中に入れたとかいうデマまで飛び交う。



 言えない。


 なんと言われようと、連也くんのことは絶対に言えないよ。



 でも、佑香の心配そうな言葉に胸が痛くなる。




「あたしっ……」



 なんて言おう?



 良い言い訳はないのかな?

 真実を言うべき?

 でも、言えないもん。



 心の中で必死に考えていると。



 ガラッと教室の扉が開いた。


「っ」



 みんなの目が一斉に扉に向かった。


 もちろん、あたしも。



 入ってきたのは、地味男姿の連也くんだった。