レモンな初恋




 途端に熱くなる顔。



 連也くんは笑っているから、こうなることを知ってたんだろう。



「れ、連也くんはこういうことさらっと言うよね」



 あたしは、付け足しで「完敗です」と白旗を上げた。


 最後は負けるんだよね、あたし。



「……連也くん?」


「なに?」



 隣であたしと同じ座り方をする連也くんを見ながら言う。



「あたし、連也くんの彼女になっていいの?」



 きっとそういうことだよね?


 さっき連也くんが言ってた〝俺のもの〟とは。



「もちろん。ってか絶対」


「ねぇ、そんな風に言うのって、湊に焼きもちとか……」



 湊を見て、焦ったとか?

 焼きもち焼いてくれたとか?



「……っさい」


「あ、やっぱり。」



 照れたように顔を背ける連也くんを見て、確信する。



「……あー、そうだよ。悪いか」