「……え」
連也くんは、固まったように動かない。
「……」
あたしもあたしで、ドキドキしてしまう。
けれど、言わなければ。
「だから……連也くんのものになってもいいよ」
押し倒された状態で言うのもあれだけど、今しかない気がした。
「……バカ。嫌っつっても俺のものなのに」
そう言いながらも、元の体勢に戻った連也くんは真っ赤の顔を見せていた。
連也くんがあたしからどいたおかげで、少し身動きが出来るようになった。
だから、あたしは体を起こしながら言った。
「うん、分かってるけど連也くんは気にしそうだから」
「……からかっただろ?」
「実は」
ムスッとしている連也くんに、あたしは笑いながら言った。
すると、今度は連也くんが反撃に出る。
「……お前さ、出会った時もだけど、素なのかわざとなのか可愛いこと言ってくるよな」
「……可愛い?」
「うーん……つい襲いたくなるような」


