レモンな初恋





 俯いている顔を上げた。



 すると、目に映ったのは連也くんの顔。


 そして、連也くんに腕を引っ張られて行った。






「あ、あの……」


 連也くんに腕を離されたのは、屋上に着いてからだった。



「……」


 黙ったまんまの連也くん。


「あ……の」


「あいつ、なんなの?」



 怒ったような口調の連也くんに、不思議と胸が高鳴った。


「……もしかして、焼きもち焼いてる……?」



 少しからかうように言うと、急に連也くんがあたしの体を押した。



 もう何度目かの、押し倒される体勢&跨られる。



「あのさ、もう我慢できないんだけど」


「え?」



 よく意味の分からないあたしに、連也くんは真面目な顔のまま。



「こんなこと言いたくないけど……いつまで待たせるの?」


「あ、えっと……」