橙ゲノム






階段の隅からひょこっと現れたのは、私の数少ない友達のたまちゃん。


本名はたま子。

名前の通り可愛い子で、素の私を見てくれる。


私みたいに真っ直ぐな黒髪ロングじゃなくて、ふわっふわのミルクティー色のミデュアムヘアー。


『お疲れ』とにこにこと笑うたまちゃんに思いっきり抱き着いた。



『あらら、どうしたの?』


「なんで私が生徒会長なのよぉぉ・・・。めんどくせぇぇえ」

『こらこら瑞穂、口悪いぞ』


ぺしっと頭を叩かれた。いてて。


素の私は真面目なんかじゃない。

口も悪いし、オシャレにも興味なんかない。
勉強も大っ嫌いだし、面倒くさがり屋。


お父さんの圧力もあるから外ではちょっと、ほんのちょこっと大人しくしてるだけ。

別にどっかのお嬢様みたいに『おほほほ』なんて臭いセリフ吐いたりしない。