橙ゲノム






『急にどうしたの?』


ひょこっと横からアイスを持って私の顔を覗く、彼氏のシン。


ふわふわとした黒髪に、きりっとした目、スッと通った鼻。
結構イケメンだと思う。

まぁ、ただの彼氏愛かもしれないけどね。



大学の食堂で出会ってから仲良くなり、一か月前に告白されて付き合い始めた。

自分の考えをしっかりと持っている、真面目な人。

私は誠実さに惹かれて好きになったんだっけな・・・


「ううん。なんでもない。私いちごがいーな」


ぱくっと持っていたアイスにかじりつく。

シンは『えー、俺もいちごがよかった』と残念そうな顔。


私はふんふんと鼻歌を歌いながらシンの横を歩く。

シンは仕方なくもう一つのチョコアイスにかじりついていた。