さぁっと風が私の横を駆けていく。


ほかほかと温かい春風は、私のスカートをひらひらと揺らした。



(もう春なんだ・・・)



まるであの日に戻ったかのような感覚。

私の中でずっと輝いてる、あの思い出・・・



「だめだめだめっ・・・」


私はあの人を思い出してしまい、ぶんぶんと首を振った。