放課後、私は教室で一人、どうすれば良いか悶々と考えていた。
「お、悩みごとですか~?星村さん。」
その時、場違いな声が聞こえてきて、私はぶちギレ寸前でとどまった。
「おちょくってるならこの場から去れ。そして一回地獄行ってこい、日高!」
「おー、殺気半端ねえな、星村。」
私は無視して考える。
なんとしても、吉村先輩を捕まえて真希に謝ってもらうんだから。
「…躍起になんのも良いけどよ、もうちょい周り見たら?
一人でなんでもやろうとすんなぼけ。」
…正直あいつの真剣な声、はじめて聞いた。
だけど、このときの私はそんな声に耳を傾けるほど大人じゃなかった。
だって、初めて会ったときも、
『お前の名前、静かで綺麗だけど、性格はそうはいかない感じだよな~』
と人の事を馬鹿にしてきたほどだ。
今度だって、私一人じゃなにも出来ない癖にって馬鹿にしてるにちがいない。

