「ひゃ……」 「気づかなかった?俺ずっと心愛と手ぇ繋いでたんだけど」 気づかなかった……。 あたし、浮かれてましたから。 「朔、荷物は……」 「ん?こっちにあるけど」 軽々しく片手に持っていた。 自分の荷物も一緒に。 朔さん、そんなに力持ちなんですか……!? 「じゃあ、行こうか。楪」 「うん。心愛も、朔くんも行くよー」 「行くか」 ニコリと微笑まれ、胸が鳴る。 「……うん」 何か波乱が起きそうな予感がした。