駅のホームとインディゴブルー

「とにかく心配なの、飛鳥そういうの断れなさそうだし」

「いやいや、わたしのスルースキル半端ないよ?」

「嘘つけ!」

そう言ってから水穂くんはちょっとだけ微笑んだ。

つられてわたしも笑ってしまった。

――水穂くん、わたしはすぐにそわそわしてしまうくらいあなたがすきで、あなたは理由を簡単に人には言えないくらい、わたしをすきでいてくれているらしいです。

うぬぼれかもしれないけど、でもほら、今みたいにどちらからともなく自然と手が重なることに、幸せを感じてもいいでしょう?

「飛鳥。手、冷たい」

「ごめんなさいね…」

そろそろホームに、わたしたちが乗る電車がやって来る。



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本編の最後よりちょっと前の出来事でした。



【おまけ】

後日、電話にて。

「俺の友達の友達の話なんだけど」

「うん」

「文化祭で交換した他校の女の子の番号にかけたら、同じ教室にいた男子のケータイに繋がったんだって。同じようなことが他でもたくさん起きてるらしくてさ」

「へぇ…(絶対芽以子だ…)」