この力があるかぎり




こればかりは本当に能力を捨てたくなった。


でも、捨てる方法なんてわからないし、なにより力を持った時に決めたんだもの。


(世界中の人に幸せになってほしい)って…


それに私が頑張ればそれはそれとして親孝行になるのではないかと考えた。


口ではそうは言っても実のお母さんだから心配はしてるはず…


そう信じたかったから。


「じゃあお母さん。その…組織に入ってもいいんだね?」


「ええ。大歓迎よ。」


…これはこれですぐに納得するのもどうかと思うんだけど…


「では、お母さん。契約書にサインしていただけますか?」


ユナさんがそう言って胸ポケットから契約書を取り出した。


その表情は少し喜んでいるような悲しんでるような…なんとも言えない表情で契約書をお母さんに差し出していた。