あたし鈴原 蒼愛。緊急事態発生!

「ぬぁぁぁぁぁぁあああ!」

な、なんなんだ!このプリントの山は!
終わるわけないじゃーんっ

なぜ、こうなったのかというと…

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あー、数学つまんない。どしよ。寝よっかなあ。
あたしはチラッとグランドをみた。

ぬあ!は、花園くんが走ってる!!
か、かっこよすぎるよおお!

「ぬあに!?」

…は!しまった声が…

「どした鈴原ー?」

やば!先生にバレちゃう!数学の先生怖いから怒られたくない!

「ペンが落ちただけでーす…」

そういうと先生ははやく拾え。と言ってまた黒板を書き始めた。

せーふ。そりゃね!叫びたくなる!
だってね!花園くんの前で女の子がこけたんだよ!しかも!花園くんその女の子のこと支えてるし!

「花園くんはだめえええええ!」

あ、やっちまったよ、蒼愛さん。人生も終わるかもしれない。

「鈴原ー。お前放課後待ってろよ。」

はい。すんませんした。

********

ということがありまして。

「とほほほ…」

あー、もう、やるしかないよね!こんなものすぐ終わるんだから!

---1時間後--ー

「はぁ、やっと終わったよ!」

てかむずかしすぎるでしょ!いつこんなの習ったわけ!?

【中学3年基礎問題】
あれ?あたし何年だっけ?高2じゃん!

「はぁ。もう、真っ暗じゃんかあ」

ガラッ--

「あ、やっぱり。まだいたんだ。」

…へ?こ、この声は!?

「花園くん!?どして!?」

ドアに寄りかかった花園くんがいた。

「んー、バカの様子でも見に行こっかなって思っただけだよ。」

うあ!ば、バカだなんて!ま、まあ頭のいい花園くんから見たらバカだね。

「もう終わったもんね!できたもん」

「ふぅん。んじゃ、今から帰るの?」

…それ以外になにがあるのかな?

「そ、そーだけど…」

あたしがそう言うとまた、ふぅんと言った。

「んじゃ、帰ろ。」

「あ!うん、ばいばいっ!」

花園くんも帰るんだし、あたしもそろそろ帰らなきゃっ!

「は?」

花園くんは教室から出ずにただあたしを見ていた。

「ど、どしたの!?」

なんで、あたしを見てんの!?

「本当にあんたってバカだね。」

ば、ばかだけど!そんなに言わなくでもいーでしょっ!

「…送るっていってんの。」

え。い、いいい今のは聞き間違い!?
たしか、花園くんが送るって言ってたよね!?

「だ、だいじょぶ!」

「だいじょぶ?外真っ暗だけど?危ないでしょ。」

い、いやいやいやいやいや!

「こんなの襲う人いないよ!?」

天と地がひっくり返ってもないよ!

「はぁ。あんた本当にバカだね。女なら誰でもいいって男はたくさんいるの。おとなしく送られてよ。」

花園くんはため息をこぼし、あたしの服の袖をちょいちょいとひっぱった。

「…はい。」

その仕草が可愛いくてそう答えるしかなかった。

「ん。いくよ。」

やっぱり、あたしは花園くんが…

大好きです!!!!