人気のない公園。

あたしと晴輝は様子見程度にその公園に近ずいた。

あぁ・・派手にやってるな~

男1人vs男5人

もちろん1人の男がボロボロにされてる。

5人の内の2人はその男に直接手は出してないが、男が殴られている光景を見ている。まぁ、鑑賞してるって感じ。

あの2人のどちらかがトップだとすぐにわかった。

「…本当に知らねぇのか?」

ずっと黙って見ていた2人のうちの1人が殴られてボロボロになった男に問いかけた。

「ケホッ…ほ、ほんとに何も知らねぇんですッ…白虎の総長の事はッ…噂で女って聞いたことあるだけで…グァッ」

「ほんとにそれだけしか知らねぇのかよ!!」

2人以外の奴がまたその男を殴って怒鳴った。

ん?白虎の総長ってあたし…だよね…?

もしかして、いや、もしかしなくても絶対あの男が殴られてるのってあたしの所為じゃん!!

ってよく見たらボロボロの男って百虎の下っ端の奴じゃん!!

「晴輝…そのパーカー貸せ」

あたしの中のスイッチが入った。

それを一瞬で感じ取った晴輝は本当に凄い奴だ。

バサッ―

「あんまり無茶するなよ?」

そう言って心配しながらもちゃんと手を貸してくれる。

「あぁ」

あたしはいつもより低い声を出して返事をするとパーカーを羽織り、フードを被って男たちの元へ向かった。