蓮side

俺は藤堂 蓮(トウドウ レン)。

高校2年の茶髪。
世界№2の暴走族『牙龍(ガリュウ)』の総長で通り名は龍炎(リュウエン)。
自分で言うのはなんだが結構ケンカは強いし自信がある。

ただ一人勝てないのが百虎の総長、風月。

なぜ通り名を知っているかは、また今度話してやるよ。

でも、風月の情報をいくらハッキングしても出てこない。

だから最近、いろんな族を脅して聞いていたんだが、一向にいい情報が出なかったから今日は百虎の下っ端を問い詰めている。

たまたまぶつかったのが、百虎の下っ端だったからな。

でも、いくら問い詰めても女って事しか収穫はなかった。

はぁ…かれこれ2時間問い詰めてるな…

もうとどめ刺して帰ろうか。

そう思って、俺はボコボコの男に近づいた。

グッ…

「痛っ…」

ボロボロの男の髪の毛を掴んで引っ張りあげた。

「今日俺らがお前にした事は誰にも言うなよ?」

俺は睨みを効かせて男を脅した。

「ッ…わ、わかりましたッ…だ、だから…は、離して…くださいッ」

男は涙目で命乞いをしてきた。

別に殺しやしないのに。

だからと言って殴らないわけでは無いがな。


丁度、拳を振り上げたその時、

「うちの奴をたくさん、かわいがってくれたみたいで。どうも」クスッ

フードを被った奴が口の端を少し釣り上げて俺たちに近づいてきた。

フードを被っている所為で口元しか見えないが、ただものではないのが雰囲気で感じ取った。