箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

 いくら実物を見ていたって、それはこの世界を体感出来るものじゃない。

 身近にいるはずのものなのに、それすらも酷く遠い。

 僕は本当にベリルに良いことをしているのだろうか。

 これじゃあ、返って彼を悲しませているだけじゃないのか。

 余計に孤独にさせているだけなんじゃないのか?

「マーク」

「なんだい?」

 部屋に戻る途中に少年がマークを見上げた。

「今日はありがとうございます」

「あ、いいや」

 マークは胸がちくりと痛んだ。