箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

 ならば、僕が出来る限りの喜びを与えようじゃないか。

 マークはそうして、壁に囲まれた敷地内にある芝生にシーツを敷いてサンドウィッチの入ったバスケットを広げた。

 ベリルは、そびえ立つ緑の壁を一瞥し芝生を見やったあと空を仰いだ。

 雲は流れ頬をかすめる風に目を閉じる。

 そんな少年の様子をマークは柔らかな笑みで見つめた。

 マークが上を言いくるめて可能にしたのだが、人工生命体のデータ収集のためだと言えば意外とすんなり承認が得られたのだからほくそ笑むしかない。

 当然もっともらしいデータを出し、報告をする必要がある。

 そんな苦労も、ベリルの表情を見れば安いものだった。