箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

 彼にとって、学びは外の世界を知る断片である事を知った。

 それらは全て人間が生きてきた証に他ならない。

 学ぶ事は接する事のない人とその世界を知る唯一の方法なのだ。

 マークは締め付ける胸の苦しみに顔をしかめた。

 しかし、自分が苦しんでも仕方がない。

 彼に心配をかけないようにしなくては、彼は相手の感情をすぐに読み取ってしまう。

 彼の傍にいる間だけは、楽しくしていよう。

 決まっている自分の運命に他人が嘆くことをベリルは嫌う。

 言わなくても自然とそれは伝わってくる。

 自分のために誰かが悲しむ事に憂う、それだけの優しさをその小さな体に満たしているのだ。