箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

 しかし、その現状はとても普通ではない。

 国家機密であり続ける理由は今や国際的な倫理面からが大きい。

 人工生命体という存在自体に倫理的な観点を捨て去る事は出来ず、それが人となれば尚更だ。

 どうあがいてみても、ベリルがこの場所から解放される要素は一つも見あたらなかった。

 彼が学んだものは彼自身に活かされる場がどこにも無い。

 それでも学び続けなければならない。

 ただ人工生命体の学びの限界を知りたいというだけでとは、なんて残酷なのだろうか。

 救いなのは、ベリル本人がそれを苦痛だと感じていない事だろう。