「そうですか?」

 ベリルは言われるほどの変化があるのかと自分の体を軽く見回す。

 どんなに気がつく性格でも、自分の変化にはやはり気がつきにくいのかとマークは小さく笑んだ。

 ベリルはまだ幼いといえど周囲にはよく気がついた。

 無理な気遣いという訳ではなく、自然な動作でこなしていく様子には驚嘆する。

「今日は友人のアルバムを持ってきたよ」

 示されたアルバムに無表情なベリルの瞳がかすかに輝く。

 きっと少年にとってはこれでも大きな表現なのだろう。

 暇があればアルバムに目を通し、マークは解る範囲でベリルの質問に答えた。

 こうして見れば普通の少年に映る。