箱庭の螺旋-はこにわのらせん-


 ──ベルハースが報告書を提出した一週間後、施設は一変していく。

 それまでは研究室がいくつかと小さな食堂に寝泊まりする宿舎だけといった、こぢんまりしたものが大量の資材が運ばれ人員も増加した。

 そして何より、

「彼らは?」

 ベルハースは軍用ヘリから降りてくる数人に怪訝な表情を向ける。

「専門家だそうですよ」

 そこにいた警備の者が説明した。

「専門家?」

 ヘリから出てきた暗いスーツを着た男は、当惑しているベルハースに近寄り手を差し出す。

「こんにちは」

 見た所、国の上層部の人間のようだ。

 ベルハースはいぶかしげに見やって握手を返した。