箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「マークの奥様はとても綺麗な方ですね」

 夕食になり、相変わらず上品に食べながら少年は発する。

「だろ? 僕のひと目惚れさ」

「だと思った」

 少年は、いつもは食事のマナーを教える教師と二人で食事をする。

 マークが加われば三人だ。

 しかし、今回は特別にマークと二人だけでの食事となった。

 いつもは丁寧で上品に食事をする少年も、この時はやや砕けた印象を受ける。

「もういいのかい?」

 ふいにフォークを置いた少年にいぶかしげな表情を浮かべる。

 少年は目を伏せて頭を横に振った。