箱庭の螺旋-はこにわのらせん-


 ──少年は十一歳になり、マークが視察に訪れた。

 初めての時よりもいくらかは笑ってくれるようになったベリルに嬉しく思い、青年は一年間にあった事を少年に話していく。

 ベリルはそれを楽しそうに聞き入っていた。

 あまり感情を顔に表さないが、マークには何故だかそれが解った。

 いま少年は青年の言葉に、自分では直に触れる事も見る事も、感じる事すら出来ない外の世界に想像を膨らませている事だろう。

 しばらくベリルの担当を任せると言われたとき、どれほど嬉しかっただろう。

 もちろん、初めは好奇心からだった。

 しかし今は、友達になるという約束を守れた事が嬉しかった。