この子に俺の全てを教えよう──ブルーは決意した。

 少年の瞳の奥底に垣間見えた光は、決して濁る事は無いだろうと感じたからだ。

 まだ十歳の子どもが、なんと遠くを見ているのだろうか。

 少年の瞳は自分など軽く飛び越えて遙か彼方を見据えているように思えた。

 次の日から、ブルーは本格的な戦術を少年に叩き込んだ。

 現在使用されているあらゆる武器の扱い、格闘や兵法に至るまで己の持てる限りの知識をベリルに詰め込んでいく。

 少年もそれに音を上げる事なくしっかりとついて行く。

 何を言ってもベリルは大切に育てられている、軍隊まがいの教育などついて来られるのかと考えていたブルーは自分の意識が浅はかだったと苦笑いを浮かべた。