「どう扱えば人は傷つかずに済むのかを知りたいからです」

「ほう」

 ただの興味だけでは無かったのかとやや驚く。

 人の構造に興味もあるのかもしれない。

 果たして、自分は他の人間と同じなのか、そうでないのか──精神的な部分ならば、その疑問は理解出来る。

 しかし、生物的な部分までは計り知れない。

 俺たちが思う「人とは異なる部分の考察」とは訳が違うのだから。

 見下ろすブルーにベリルは小さく笑んで視線を外した。

「私自身がその術(すべ)を使用する事は出来ません。それでも知りたいと思うのです」

 子供らしからぬ切なげな瞳に男は拳を握りしめた。

 こいつは自分の運命の全てを悟っている。