「そうか」

 なるほど、だからこんな所に閉じこめているのかと納得した。

 いくらなんでも大がかりすぎる施設に多少の疑問を抱いていた。

 全てを隠し、この世に生まれたはずの者までも存在しないというのか。

 それに反発したとしても、自分に何が出来る訳でもない。

 あの子の生きる場所はここしかない。

 ブルーは腕時計を視界に捉えてゆっくりと立ち上がり、トレーニングルームに向かった。

 部屋の中心で待つ少年に近寄る。

 黒いボディスーツの上は白いシャツを羽織っていた。