ブルー・ウェルナスはアルカヴァリュシア・ルセタの軍にいた。

 彼は小柄という訳でもないが格闘だけでなく、戦術にも優れているとその腕を買われて政府に招かれ施設を訪れた。

 そもそも軍人に拒否権などなく、拒否したければ軍を辞める他はない。

 政府は初めからブルーを辞めさせる気は無かったのだろう、施設に足を踏み入れてから国家機密のプロジェクトだと彼に暴露した。

 軍を辞めた所で幽閉される事は明らかだ。

 逃げ道を断たれたブルーは要請に従う他はなかった。

「ブルー教官」

「なんだ」

 教官ね──自分の呼び名に口角を吊り上げる。