「わしにも解らんよ。それ以外では、とても良い学者だったのだが」

「あの、彼をまた見に行っても?」

「滞在している間はスケジュールの合間を縫って会うといい」

「これは──っ」

 ベルハースから手渡された少年のスケジュール表を見て思わず言葉を失う。

「こんな歳でここまでのスケジュールは問題ないのですか」

 さすがに声を上げた。

 睡眠時間は余裕を持って八時間ほど取られているが、講義の間は移動を含めて十分程度しかなく、食事は常にマナーの学びとなっていた。