箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

 ディスプレイの上部には部屋の名前が書かれていて定期的に画面を切り替えていることから、一つの部屋にいくつものカメラがあるようだ。

「こうして目の前で見ても信じられない」

 青年は吸い込まれるように近づきディスプレイを凝視する。

「造った我々も九年たった今でもまだ実感が湧かないよ。何せ我々とどこも変わらないのだからね」

 ぽつりと口にしたマークに一人の科学者が快活に笑って応えた。

 もうかなりの高齢のようだが、目だけは輝いていた。

 サイモンという名の科学者は頭頂部の状態に今までの苦労が窺える。