「今は自由時間だろう」

「少し気になった部分があったので」

「そうか。あまり無理せんようにな」

「お気遣いありがとうございます」

 アリシアは目眩がした。

 子供とは思えない言動に

「私なんかよりも上品じゃないの」と苦笑いする。

 その耳に小さな笑い声が聞こえてアリシアは視線を落とした。

 少年の微笑みにアリシアまた心臓が高鳴る。

 私ったら何をドキドキしているの?

 この子にからかわれているだけなのに──