箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「ありがとう!」

 ローターの風に舞う髪を押さえ、その音に負けないように声を張り上げる。

 荷物はアリシアの手に渡される事もなく、どこかに持ち去られてしまった。

 どうやら中身のチェックがあるようだ。

 さすが国家機密の施設だとアリシアは感心したが、このあとさらにチェックがあると聞いて肩を落とした。

 持ち物チェック、健康チェック、心理面までチェックを受けていい加減に疲れてきた。

 昼前に施設に到着し、じっくり二時間はかかったような気分だ。

 しかし実際は三十分ほどだった。

 チェックが全て通り、警備服を着た若い男性についてくるようにと示されて背中を追う。

 しばらく象牙色の廊下を進むと、たどり着いた先には灰色のスライドドア。