箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「それは言えません。何せ、国家機密なものですから」

「そうですか」

 車は何時間走っていたのか解らない。

 アリシアが疲れた頃、リムジンがおもむろに止まる。

 外に出ると、感じた事の無い空気が漂い、歩いている人間の服装からここは軍事基地なのだと理解した。

「ここからヘリで向かいます」

 男はローターの回っている軍用ヘリにアリシアを促した。

 後ろから彼女の荷物を持って男たちもヘリに向かう。

「ここから二時間ほどの所です。それでは!」

「え──?」

 軽く手を挙げてドアを閉める男に、アリシアは不安な顔を向けた。

 てっきり、ついてきてくれると思っていたため当惑する。

 親しくもない相手だが、まったくの初対面ばかりの中では多少の安心感があったというのに。