箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「天才少年か」

 紅茶を淹れ直し、疲れたようにソファに腰を落とす。

 国家機密のため了承すればそれが完了するまで外には出られない。

 それを聞かされれば躊躇するのも当然だ。

 しかし、そんな少年に自分が教えるというのも素晴らしく魅力的な話だった。

 両親は海外で暮らしており、アリシアは恋人もおらず独り身だ。

 実家に住み、ピアノ教室などをして悠々自適に生活している。

 もし了承すれば、しばらく両親とも会えなくなり、嘘も吐かなければならない。

 それでも、持ちかけられた話は興味深かった。