「また来ます」

「元気でな」

「あら、もうお帰りになるの?」

 買い物から帰ってきたローラが笑顔でベリルを見上げる。

 かなり時間がかかったようにも思えるが、きっと近所のリリーと喋っていたのだろう。

 いつものことだ。

「とても綺麗な方ね。男性に言う言葉じゃないけど」

「ローラ。彼から君にプレゼントだよ」

 彼女が持っている荷物を受け取り、箱を手渡した。

「まあ! ありがとう」

「それではお元気で」

「また来てちょうだいね。今度はお食事でもごちそうしますわ」

「ありがとうございます。是非」

 マークは、堂々とした威厳のある足取りと遠ざかる後ろ姿にベルハースとブルーを重ね、風格さえ漂わせているその背中に安堵した。

 扉を閉めてリビングに戻ると、緑のボトルをじっと見下ろす。