箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「学ぶことはまだまだあるようだ」

 それだけで、マークには充分というほど理解出来た。

 彼にとって、学びは楽しみの一つだ。

 好奇心は尽きないということなのだろう。

 そうして、ベリルは静かに立ち上がる。

「行くのか」

「はい」

 ベリルは上着のポケットから細長い箱を取り出して、見送るために同じく立ち上がったマークにそれを差し出す。

「奥様に」

「ありがとう」

 綺麗に包装された箱の文字を見て目を丸くした。

「これ、かなり高価なものなんじゃないのか」

「独り身だと金の使いどころが無くてね」

 その気遣いに感謝し、マークは素直に受け取った。

 箱のサイズからしてネックレスだろう。