箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「あの時に捕らわれていれば、逃げられなかっただろうね」

 それでも、ハロルドの思惑に従う事はなかっただろう。

 洗脳になど、決して屈服してやるものか。

 三十五歳の時に捕らわれはしたが、ハロルドの計画は失敗した。

 そして、ベリルには大きな傷だけが残った。

 施設での事はハロルドにとっては小さな犠牲かもしれないが、ベリルにとってはそうじゃない。

「施設の地下で私のクローンが造られていた事も驚きだったがね」

「なんだって? クローンは成功していたのか!?」

「成功と呼べたのは一体だけだそうだよ」

 他は、どこかしら精神が病んでいた。

 作成チームが成功としていた一体にしても、あとが続かなかったことから、偶然の成功でしかない。