マークは腰を落としてからも、早く説明してくれと言わんばかりに輝く目をベリルに向ける。

「ちょっとした事から不死になってね」

「なんだって?」

 予想もしていなかった言葉に、彼が何を言っているのか理解出来なかった。

「なんて言ったんだい?」

「二十五のときに」

「冗談もほどほどに──」

 いやしかし、現に僕の前には青年のベリルがいるじゃないか。

 彼がそんな馬鹿げた嘘を吐くとは思えない。

 ましてや、直ぐに解るようなつまらないジョークを言うほどのユニークな人柄ではなかった。

 昔の記憶のままなら、だが。

 見たところ多少やさぐれた印象はあれど、あれから身長は伸びなかったのか記憶にある姿とそれほど変わっているようには感じられない。