箱庭の螺旋-はこにわのらせん-

「理解出来たか?」

 読み終えて書類を返すベリルに問いかける。

「はい」

 色を示さない瞳は晴れやかにも見えた。

 疑問に感じていた事柄がようやく理解出来た事が嬉しいのか、口元がやや緩んでいるように思える。

 まだ三歳の子どもに私は何を話しているのか。

 その表情にベルハースは少し胸が痛んだ。

「教えてくださってありがとうございます」

 苦い顔をしているベルハースをのぞき込む。そしてまた小さく笑った。

「いや」

 複雑な心境でベリルの頭に優しくも無骨な手を乗せた。